(夜、菊さん家でゴロゴロしていると、家主が帰ってきた。

「おかえりなさい!」と駆け寄る。)

ふふ、ただいま。
ご飯、すぐ作りますからね。

……それから、コレをあなたに。

(手渡されたのは、オレンジのリボンが結ばれた、黄色い一輪のバラ。)

差出人は秘密ですよ。
ふふ、青春ですねぇ……




私も、チョコレート入りの最中を買ってきたんですよ。
よく行く和菓子屋さんでバレンタインフェアがやっていまして。
一緒に食べましょうか。



(にこにこと微笑む菊さんと共に家に入る。
ふとリボンを見ると、何か文字が……



次会ったらなんて言おう。
嬉しさに胸を弾ませながら、手の中のバラを潰さないよう、軽く抱きしめた。



HAPPIーVALENTINE
バレンタイン2025ー3