(夜、菊さん家でゴロゴロしていると、家主が帰ってきた。
「おかえりなさい!」と駆け寄る。)
ふふ、ただいま。
ご飯、すぐ作りますからね。
……それから、コレをあなたに。
(手渡されたのは、オレンジのリボンが結ばれた、黄色い一輪のバラ。)
差出人は秘密ですよ。
ふふ、青春ですねぇ……
私も、チョコレート入りの最中を買ってきたんですよ。
よく行く和菓子屋さんでバレンタインフェアがやっていまして。
一緒に食べましょうか。
(にこにこと微笑む菊さんと共に家に入る。
ふとリボンを見ると、
何か文字が……次会ったらなんて言おう。
嬉しさに胸を弾ませながら、手の中のバラを潰さないよう、軽く抱きしめた。
HAPPIーVALENTINE
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