ユーリ「さぁ、このボクとひとつになるんだ」

ユーゴ「ふざけろっ!お前がオレとひとつになりやがれ!!」

<ユーゴ、敗北>

ユーリ「いいデュエルだったぁ。こんなに楽しめたのは生まれて初めてかも。今までカードにしてきたヤツらは皆口先ばっかりで大したことなかったし。やっぱり違うねキミは」

ユーゴ「当ったりめぇだ!オレを誰だと思ってる…!ぐぁっ」

ユーリ「そぉう。キミはボクだ。そしてボクはキミ。闘いながら感じたよ。ボクらが出会ったのは運命だって。こんなに楽しめるのならもっと早く闘ってればよかったぁ。ゴメンねぇずっと邪魔者扱いしちゃって。でもこれからはずっと一緒だぁ。ボクらは一つとなり二度と離れない…!」

ユーリ「さぁ今こそぉ!!」

ユーゴ「ひとつにぃ!!」

ユーリ「んっふふふふ。ボク達やっと一つになれたね。でもまだ半分だ。ボクにはわかる…ボクと一つにならなきゃいけないヤツが近くにいることがっ!!!」

<一方、《衝撃の拘束剣》で磔にされたままの遊矢>

遊矢「今こそォ!」

ユーリ「ひとつにぃいいいいい!!!」

<ユーリ、遊矢がいる場所へ>

ユーリ「ふっははは…みぃーつけた」

遊矢「お前…!」

ユーリ「やぁだなぁボクにはユーリって名前があるんだからそう呼んでよ。でも今のボクはユーゴでもあるんだけどね」

<榊遊勝相手に>

ユーリ「おじさんホントしつこいね。もうアンタの相手してる暇なんてないって言っただろう。邪魔ッ!」

<ここで榊遊勝を謎パワー謎ビームで吹っ飛ばす>

ユーリ「父さん?」

ユーリ「お前も邪魔ァ!!」(ここで赤馬零児を吹っ飛ばす)

ユーリ「父さんって何?キミには親がいるの」

ユーリ「ふーん。親子ねぇ。しつこくボクの邪魔してきたのはそういうことォ。でも親が出てきたからってはい、そうですかと諦めるわけにはいかないんだよねぇ。だって彼も望んでるんだもん。ボクと一つになることを。でしょ?」

遊矢「オレは…オレはぁ…ぐぁあ!オレは…お前とは……」

ユーリ「ほらね!もう彼はボクのことで頭がいっぱい!いくら親が邪魔しても──。」

遊勝「息子のためだけじゃない、私にはどうしてもキミと闘わねければならない理由がある」

ユーリ「って何?」

遊勝「キミがここまで来たということは明日香もキミに!彼女だけじゃない!キミは私の生徒を何人もカードにした!」

ユーリ「あぁ、そのことぉ!それがどうかしたのぉ!?」

遊勝「彼らの無念は師匠である私が晴らさねばならない」

ユーリ「彼らは弱いからカードになったんだよ。こんなことで逆恨みされても納得できないけど。ま、いいやぁ。これ以上邪魔されるのもなんだし…息子の前で父親をカードにするっていうのも結構そそるしねぇ」

ユーリ「いいよ。相手してあげるよ。息子想いのお父さんの」

ユーリ「ボクはいつだって楽しいよ。だって負けないもん」

遊勝「それはどうかな?」

ユーリ「わかってるよ最初から。ボクは勝つ。そしてアンタもカードにする。弟子達と同じようにね。で。どっちがいい?すぐにカードになりたいか、少しはボクと遊びたいと思っているのか」

ユーリ「それじゃボクのやり方で楽しませてもらうよ」



ユーリ「ボクからだ!ボクは手札から捕食植物プレデター・プランツ セファロタスネイルを召喚!そしてカードを2枚伏せてターンエンド」

ユーリ「明日香は優等生デッキでいたぶるのが結構楽しかったけど、今は自分のデッキだし瞬殺してあげるよ」



ユーリ「早く彼と一つになりたいしね。きっひひひ……」(野獣の眼光)

遊勝「もう終わりか?」

ユーリ「あ?」

ユーリ「これで十分。楽しむための用意はできている」

<デュエル描写省略>

ユーリ「ふーん、マジシャンねぇ。それじゃあおじさんのデッキは魔法使い系?」

遊勝「エンタメ系だ」

ユーリ「あ?エンタメ?」

ユーリ「エンタメに招待…ボクを?どうやって?」

<デュエル描写省略>

ユーリ「ボクの魔法マジックカードを破壊する?このターンってことはつまりアンタはボクが伏せた2枚のカードの内どちらかがボクの切り札だと?魔術師の右手は魔法カードを破壊するって言ったよねぇ。だけど2枚ともトラップの可能性もあるんじゃない?」

ユーリ「ふっ、面白いねぇおじさん。ユーゴとのデュエルも面白かったけどアンタとも楽しめそうだ。それじゃあ早速言い当ててもらおうかな。ボクの切り札は?」

ユーリ「ふっ。永続トラップ、《夜爆花ダークシードプランター》発動!相手フィールドのモンスターはすべて闇属性となりそのモンスターがボクのフィールドの闇属性モンスターを攻撃した時それを無効にする!」

<デュエル描写省略>

ユーリ「セファロタスネイルのモンスター効果!戦闘破壊を無効にしボクが受けるダメージも半分になる!ねぇ…これって失敗じゃないの?だってアンタ、ボクの切り札を排除するって言ったんだよ。魔術師の右手はその為に発動させたはず。慌てん坊だねぇ。ボクが《夜爆花ダークシードプランター》というトラップを発動させた途端、自分のエースモンスターを守るために──。」

<デュエル描写省略>

ユーリ「あ゛?」

ユーリ「ボクにトラップを発動させるためにわざと攻撃を仕掛けたってこと!?」

<デュエル描写省略>

ユーリ「チッ…!」

<デュエル描写省略>

ユーリ「なんだよッ言い当てるって言いながら確率は2分の1ってこと?」

遊勝「いや。ズバリ言い当てよう、カードの名前まで」

ユーリ「忘れてないよねぇ。それができなかった時は自分の負けだって言ったことを」

遊勝「もちろん」

ユーリ「じゃあ早くやってみせてよ!(半ギレ)」

遊勝「よろしい!お楽しみはこれからだ!私の出した答え。それを発表する前になぜその結論に至ったのか説明しよう。キミは私の挑発を受けてデュエルを始めたが早く勝負をつけたいと思っている。それはターン1が終わった時のキミの言葉からも明らかだ」



遊勝「この言葉から、私のターンにキミが伏せカードを使ってくるのを確信した。私はカマをかけた」

ユーリ「くっ…」

遊勝「そう。魔術師の右手を発動しキミの切り札を破壊すると挑発した。だがキミは特に焦りもしなかった。ではキミの切り札はトラップか?それを確かめる為に私はバトルを仕掛け、私は魔術師の右手を手札に戻し永続魔法、魔術師の左手を発動。キミが発動してきたトラップを魔術師の左手で破壊した。おそらくキミはあの《夜爆花ダークシードプランター》で私のスカイ・マジシャンを闇属性化し融合素材にしようと考えていたんだろう。つまりキミの切り札は魔法マジックカードを破壊する魔術師の右手の効果を受けず、私のモンスターでさえも融合素材にすることができるカード」

ユーリ「チィ…!」

遊勝「ここまで絞り込めば自ずと答えは見えてくる。なぜなら私はそれを知っているから!そう、キミの切り札。それは……超融合!!」

ユーリ「!?」



遊勝「的中…だな」

遊矢「父さん……!」



【次回へ】
132話【稀代のエンターテイナー】