ユーリ「は?何言ってんの。キミにはそもそも──。まぁ、それはいいか。それでナニがどうアクセルなんちゃらって?」

ユーゴ「ユーリ!お前、まーたそうやって気に入らないもんは全部使えないモノ扱いしやがって。アクセルシンクロはなぁ!そもそもシンクロはなぁッ!!そんな下劣なことに使うモンじゃねぇ。だいたい召喚方法をいったいなんだと──。」

ユーリ「ボクが言ったんじゃないんだけど?じゃあさ、ユーゴ。例えばだよ。例えってわかるよね?仮定の話。
リンがユーゴに「ユーゴ……おねがい、私と重ねてエクシーズして…!」
なーんとか言ってユーゴに協力をお願いしている。そうだなぁ…キミは頭が悪いから丁寧に説明してあげるけど、キミを真剣な表情で、且つ、恍惚した…あっ、恍惚っていう言葉の意味はわかるかな?」

ユーゴ「は?知らねーよ。何が言いたいんだてめぇ!そもそもリンはエクシーズ召喚なんて使わねぇーんだよ!

ユーリ「はぁ。やっぱりなんもわかってないんだ。仮定という仮の話、ボクが今話してるのは例え話という言葉の意味すら知らない様子だ。
「例え話」すらも理解できない幼馴染を持つリンがボクに負けたのもデュエルの腕だけではなく頭も弱かったわけだ。ははっ」

ユーゴ「おまえ、やっぱり…何も……!」

ユーリ「話は最後まで聞いてよ。最後まで聞かずに判断するのは早計過ぎるというか…まぁ一言で表すなら「バカ」かなぁ?ふっ、ふふ、ははっ!
じゃあ、話を再開するよ。今度は「早計バカ」のキミにそのエクシーズ召喚を使えないリンがキミに対して発情してユーゴ自身を。つまり、キミとの性的関係を求めてきたらキミはどうする?」

ユーゴ「はっ、はつじょ…せいてき…かんけ──?馬鹿を言うなっ!リンはそんなことするヤツじゃねーよ。お前やっぱりリンや皆に謝れッ」

ユーリ「はぁー。ユーゴがこんなに「例え話」すらも理解できない「早計バカ」を超えたホームラン級のバカだとは思わなかった。
だから例えば、だよ。例え話。本当の話じゃない、現実ではない。わかった?
じゃあ、もっと簡単に言うけどそんな言葉をキミに言ってくるリンを「想像」してみてよ」

ユーゴ「想像…? ………。あっ」

ユーリ「あははっ。気づいたぁ?キミには言葉で表すより想像させる方が「ホームラン級のバカ」でも理解させることができるようだ。
で。どう?ねぇねぇユーゴ、そんなリンを想像したらどう思った?どう感じた?ボクはその答えが聞きたいなぁ」

ユーゴ「………」

ユーリ「ユーゴ?何してんの、早く。早く答えなよ。早く、早く、早く、早く」



ユーゴ「リン〜〜〜ッッ♡

ユーリ「………」

ユーゴ「そうか!エクシーズ召喚の重ねてエクシーズ召喚できる召喚方法は、デュエルの展開だけではなく愛の形という意味もあったんだな!エクシーズ召喚の重ねてエクシーズはそういう意味合いが」

???「ユゥゥゥウウウゴォォオオオ!!!

ユーゴ「融合じゃねぇっ!ユーゴだっ!って、黒咲じゃねぇか。どうしたんだよ」

黒咲「ハッ、すまん。間違えてしまった、二人を。ユーリとユーゴのことを」

ユーリ「部外者がいきなり何?ボク今「」とユーゴと話してんだけど。そもそも事の発端は「」なんだよ?なんで二人して「」の発言をボクに責任転嫁してんの」

黒咲「ユーゴ…だったか。人違いという間違いをしてしまい悪かった。だが聞いてほしいことがある。エクシーズは…エクシーズ召喚の話はユーリの言ってることはただの論点逸らしでお前をおちょくって馬鹿にし見下しつつ弄んでいるだけだ」
 


ユーリ「………」

黒咲「だが、間違ってないことをユーゴ。お前は自分で理解できた。いや、そんな簡単なことすらも理解できないヤツがいることを自らの問いで理解してない「ホームラン級のバカ」がいたということが証明された」

ユーリ「キミさぁほんっとしつこいよねぇ。そろそろ話を戻したいんだけど。キミ、邪魔だよ。あっ!ボクに負けた弱いヤツが使ってたキミの妹の瑠璃ってたしか──いや、キミも妹もユートもエクシーズ召喚の使用者だったねぇ?
キミは結果、大切な親友も大切な妹すらも失ってヒトリになった。そんな弱い『エクシーズ召喚』を使ってたから──いや、エクシーズ召喚が弱いんじゃなくて、キミ達みーんなが弱かったから黒咲隼、キミは誰も守れずに全てを失ったんだよね?これは例え話でも仮定でもない「現実」の話だよ。あはははっ!ははっ……はははははっ!!」

ユーゴ「ユーリッ いい加減にしやがれっ。『人をカードにするよりこっちでデュエルする方が楽しそう』たしかにそう言ってノコノコと帰ってきたよな!?あれは嘘だったのか!?だからオレ達、遊矢やユートとオレはお前が現れたとき、まったく素直じゃねぇヤツとわかって、お前とのデュエルに挑んだんだ!それで今オレが述べたお前の気持ちが、お前の発言なのも「現実」だ!!」

ユーリ「だから?何一人で熱くなっちゃってんの。うるさいよ、キミも。騒がしい。そもそも「」が『俺の股間がアクセルシンクロ』とか言い出したんじゃん。どう聞いてもアクセルシンクロとやらをバカにしてるような発言だと思うけど?そっちには怒らないわけ?ボクにはそれが理解できない」

黒咲「ユーゴ。もういい。やめろ。またコイツは自分自身でもある分身体同士のお前をも馬鹿にして──自分が『エクシーズ召喚や重ねてエクシーズがデュエルでの展開にも愛の形にもなっている』ことを理解してないことの論点逸らしをしている卑怯者だということがわかった。
エクシーズ召喚がデュエルにおいてどのような力を発揮するかはもうユーゴにはわかっているはずだ。そして愛の形という意味合いもだ。エクシーズ召喚は『同じレベルのモンスターを2体以上をエクシーズ召喚として行う』もの。
『同じレベルのモンスター』を愛の形に言い換えれば『対等な関係の人間同士』という意味にもなる。ユーゴはそれをちゃんとわかっていた。
ユーゴはバカでも早計バカでもホームラン級のバカでもない。なぜならレベルが同じなら魂も同じレベルということだからだ。
それがユーゴが理解していた「愛の形」の意味だ。最も、ユーリ。貴様だけはそのことを微塵にもわからなかったみたいだがな。俺達がどんな思いをして託していったか…!」

ユーリ「いや感傷的に浸られてもそれボク関係ないよね?だいたいさっきから何度も言ってるけど事の発端は「」が──。」

「「人のせいにするなッ」」

ユーリ「チッ。ユーゴはボク自身でもあるからそれに免じてユーゴは許してやるけどさぁ。黒咲隼。キミ、邪魔だよ。やっぱり目障りだ。
あー くだらない。愛だのなんだのと…鬱陶しいんだよ。反吐が出る。
こんなに腹が立つと人をカードにしてストレス発散し」



ユーリ「………じゃなくてェ、もういいよキミ達。邪魔。消えてくれないかな。
あぁ、ボク達の方からキミ達の前からいなくなればいいのか。
「」。ここにはまだまだ色々なところが弱いバカがいるみたいで鬱陶しいから遊矢にデュエルふっかけてデュエルして楽しいことをしようか。早く早く早く!って、あれ。何で遊矢がソコにいるのさ」

遊矢「何でって…。皆が慌ただしく騒いでる様子だったし、心配して来たんだよ。話はちょっと聞かせてもらったけどデュエルならいいよ。やろう!ユーリ!ありったけの思いっきり楽しい心から笑顔になれるエンタメデュエルをさ!」



ユーリ(ふ。ま、いいよ。今はそれで。「」もいるしね)









ユート(ユーリ…お前は…。……ふ。まぁ、そのうちわかるだろう。ユーゴが、隼が言った言葉の本当の意味が。今はわからなくても「現在いま」はあのときとは違う。あのときとは違うのは「」の存在だ。「」がお前にもいつか──。
いや、『俺の股間がアクセルシンクロ』と言ったのは確実に「」だった。
彼女も少し……ふぅ。これからの先を考えると悩むことがいっぱいだ。
だが、悩めることができる──「自我がある自分」が在ることがどれだけしあわせなことか──ここにいる皆がちゃんと存在している……この世界は争いの道具になんかさせない)



ユート(デュエルで皆を笑顔に──。そうだろう、遊矢──。)
俺の股間がアクセルシンクロ