おい暴走触角今のは俺のだろ…ッ
(士道とは相性が悪いとは聞いてたけど今にも殴りかかりそうで流石に看過できない)
(潔もいないし自分がしっかり止めねば、と立ち上がった瞬間)
(士道が繰り出した膝が凛の顔面に入り、うわ…っと思うよりも先にフラついた凛の身体を支えるも、男1人の体重を支えられるわけなくどさりと倒れてしまった)

……………、
(打った背中の痛みに顔を歪めていると上から濡れた何かを感じ目を開き見上げれば)
(ぼたぼたと垂れてきた凛の鼻血で自分の頬や首筋、着ていた白いワイシャツが赤くなっていく)
(は、鼻血…とめなきゃ…)
(派手に出血してる、と怖さで心臓がバクバクしながらポケットに入れてたハンカチを取り出し凛の鼻に押し当てる)

(アドレナリンが出てるのか、ギラついていた瞳を注ぐ凛の表情が ハッ と正気に戻ったように変わり)
っ、…平気だ、掠っただけだ触んな汚れる
(自分の鼻を押さえた凛のもう片方の手でハンカチを持つ手を掴まれた)
(汗と血でぐちゃぐちゃな手に掴まれ嫌悪感どころか昂りに近い心臓の鼓動を隠すように必死に頷くことしかできなかった)
しばらく呆然としている