…………あ、いた。

(空き教室の奥でひとり泣いていると、しばらくして、静かに開いた扉の向こうからイデアが現れた。)

(変な場所から一向に動かないと思ったら、そういうこと……。
呼吸数に乱れ、心拍は高め──とはいえ、バイタルは正常範囲内……外傷も、無し。
脅威レベルは、ゼロ。ということは、情緒的要因……。)


あー……えっと……、

(視線を泳がせながら、おずおずとこちらへ歩み寄ってきたイデアは、少し距離を空けて、隣にしゃがみ込んだ。)

えっと、そ、その……ここって、意外と人、来るから……。
旧資料室の奥の保管庫とか、非常階段の裏、とかが……割とおすすめ、でござる。99パー誰も来ない……はず、なので……。

ま、まあ、でも1番は、その……。

(もごもごと何か言いたげだったが、言いかけた言葉を飲み込むように沈黙し、視線を逸らした。)

……あ、いや……な、なんでもないです……。