(す、凄い…沢山簪が置いてある…当たり前だけど…)
(見たところ老舗のようだ…奥から店主らしき品の良い老夫婦でてきた)
(あれ、そういえば先輩…なんで簪屋さんに詳しいんだろ…女の人とかに…贈ったりとか…してたのかな)
ここは老舗やけど、最新のもんも置いてあるんです…はんが気にいるもんがあればええんですけど…
男店主「お、綾小路はんとこの坊じゃないか久しぶりやなあ!」
女店主「あら大きくなって!最近来おへんから心配してたんよ?」
お久しぶりです
…その坊言う呼び方、やめてください
もう子供やないんですから…
女主人「あら、そらすんまへんなあ…でもウチらにとってはいつまでも変わらん坊やけどなあ…?
あら?あらあらあらあら?」
(急に注目がこちらに向いて思わずビクッとしてしまう)
女主人「あらまあ!かいらしい子!え、文麿ちゃんいつ結婚したん!?こんなかいらしいお嫁はん連れて~!結婚式にくらい呼んでくれたってええのに~!」
男主人「ほんまや!えらいべっぴんさん連れて!文麿ちゃんも隅に置けへんなあ~!」
や、やめてください、違います!
まだお嫁はんやありまへん!(カァァ)
…はんもそないな勘違いされたら気悪いやろ
(お嫁さん、という言葉に思わず頬が熱くなる)
(…今の私、先輩の隣に並んでもちゃんとお嫁さんに見えるんだ…嬉しい)
(わ、私はそれでも…お嫁さんでも…構いません、けど…)
なっ…
(恥ずかしくて少し上目遣いでそう答えると、赤くなった先輩の頬が更に赤く染まっていく)
女主人「あらぁー!まぁー!あぁん!甘酸っぱいわぁ!おばちゃん若返りそう!!」
……その……来年は、はんさえよければ…
きちんと嫁はんとして紹介します………
(…!)
(今度はこちらの頬が赤く染まる番だ…先輩…ずるい)
女主人「あぁ、今度は発作で死にそう!!この歳には甘酸っぱすぎて毒やわ~!」
男主人「いやぁ、若いってのはええなあ…あれ、そういや簪選びにきたんやったな危うく忘れるとこやったわ
ほら、どれにしはります?ええの揃ってますけど…」
(先輩が、選んでくれるんですよね?)