(すごい煙…それに窓ガラスが割れた破片や瓦礫もそこら中に散らばっている)
(どうやら先程の銃撃の影響で爆発がおきたらしい)
(気をつけないと怪我をしてしまいそうだ)
(きゃっ)
(足を取られ、転んでしまう)
(い、痛…ッ)
(どうやら膝でガラスの破片を踏んでしまったらしい…ズキズキとした痛みが足の力を奪っていく)
(…ミシ)
(…?今、天井から、嫌な音がしたような…)
(ガラガラガラ…)
(!)
(崩れる、逃げなきゃ…!)
(ズキッ)
(先程の怪我が痛み、足から力が抜け
運悪く瓦礫に捕まってしまう)
(噓…)
(足が挟まったみたい…)
(どうにかして抜こうと体勢を変えつつ試してみるが、一向に抜ける様子はない)
(ゲホッ、ゲホッ)
(それどころか煙を直接吸ってしまったせいか、意識まで朦朧としてきた)
(はあ…今日、バレンタイン、だったのにな…)
(私、このまま、先輩と話せないまま、死んじゃうのかな…)
(私が死んだら、先輩は悲しんでくれるかな…)
(せんぱい…せんぱい…っ)
(とめど無く大粒の涙が溢れてくる)
(こんなに子供みたいに泣いたの、いつぶりだろう)
(もう目の前すら真っ暗になって見えないけれど)
━━━━あぁ、また泣かせてしもたな
(…?)
(あれ、今、…誰か…)
(誰かに、涙を拭われたような…)
━━━沢山の幸せで僕ごと
(あ、やのこうじ、せんぱい…?)
(ドクン)
(頭の中に反響するその声に、止まりかけていた心臓が再び脈打つ)
"埋めて"しまえばいい
(口に、柔らかいものが当たる)
(んっ…ぷは、ゲホッゲホッ…)
(空気が逆流し、目に光が戻ってくる)