(次に目が覚めたのは、病院だった)
(ふと隣のベッドに目をやると、頭と肩に胴体に包帯を巻いた先輩が眠っている…)
(わ、私も足に包帯…)
(でも動かせない程の痛みではなくなっている)
(先輩、こんなに怪我してたのに、私の事…助けて、くれた?)
う…
(先輩魘されてるのかな、汗すごい)
(ベッドから下り、先輩の額にそっと手を伸ばす)
(ガラッ!)
(突如開いた扉に、ひゃっ!?っと思わず手を引っ込める)
車折「姫様!困ります!」
姫「!綾小路!いるかしら!!…あら、存外元気そうじゃない」
(姫様!?)
姫様「ふふ、随分とオマヌケ面ね
私がお見舞いに来てやったんだから少しは感謝なさい」
車折「す、すんまへん…止められませんでした…」
(あの喋り方、やめたんですか?
アヤノコージ!ってやつ)
姫様「いまさら可愛こぶってもね、それにその"アヤノコージ"にはスッパリ振られちゃったもの」
(振られた?)
姫様「そうよ、全く失礼極まりないわ!
姫様の私を置いていっちゃうなんて、信じられない!」
(置いていった?)
姫「そうよ!この男に私を任せてね!」
車折「いやあ…はは」
姫「"…姫様、すんまへん、私には仕事より責任より何よりも大切なものを失うわけにはいかへんのや"なんて言っちゃってさ自分だって、怪我しててフラフラだったのに…あーもう!かっこつけちゃって、ほんと腹立つ!」
車折「まあまあ、警部がとっさに庇ったおかげで怪我もたいしたことあらへんかったんですかr…痛!け、蹴らんといて下さい~」
姫「フン!私に口答えするからよ!
……それに、あんな必死で真剣な顔見せられちゃったら……諦めるしかないじゃない…」
(え、約束は、もう、いいんですか?)
姫「いいに決まってるじゃない!私を置いていった警部との結婚なんて、貴女に喜んでくれてやるわよ!!」
(あ、ありがとうございます…?
警部と結婚、かぁ…ふふ)
姫「うっわ、デレデレしてんじゃないわよ、…私がくれてやったんだから、精々幸せになりなさいよね」
(わかりました)
姫「そういえば、貴女あとで綾小路が起きたらキチンとお礼言っときなさいよね
わざわざ人・工・呼・吸してまで、貴女を助けたんだから」
(…!!)
(じゃああの時の柔らかい感覚は…)
(先輩の…)