(バンッ!と扉が勢い良く開き、驚いた犯人の一人が警戒して、私の首元に当てられていたナイフをそちらに向ける)
犯人A「だ、誰だ!」
あ、あの…
すんまへん、僕の友達がここでお世話になってませんやろか…?
『…お兄ちゃん!!』
犯人A「だ、誰だよ、お、おい、お兄ちゃんって…」
犯人B「し、知らねえよ!!おい、なんでここの場所がわかった!!」
…ちょっとした推理が趣味なもんで、痕跡から場所を特定させてもらっただけの話です…
あっ、安心して下さい!
警察にはここの場所は言ってまへん
ここには僕の友達を返してもらう為の…
交渉に来たんです
犯人A「交渉だぁ…?オメェみたいなガキに何ができるってんだよ」
僕は…(ガサゴソ)
えっと、あったあった…ほら、学生証!
犯人A「あ…?"綾小路"文麿…?」
犯人B「お、おい…俺達もしかして…」
…わかってもらえましたやろか?
その子は何の関係もない子です、今すぐ解放してください
僕が代わりの人質になります
犯人A「…それなら…なんでノコノコここに来たんだ、黙ってたらお前は助かったんだぞ!メリットは!」
…メリット?
そんなん、いりまへん
僕は友達を助けたいだけです…
ええから、はよ決めてください
時間が惜しい
…でも、よう考えたほうがええですね
このまま僕を人質にして莫大なお金を貰うか、通報されて捕まるか
…交渉、言うたけど…
僕はこのままあんたはんらがはんに危害を加えるようなら、家の力を使うことも止む無しやと思うとるから
脅しに近いもんかもしれませんな…
あれ、すごい汗やけど…大丈夫ですか?
犯人A「くっ…わ、わかった!わかった!」
それから…一つ条件を出させて貰います
先にはんを解放して、一刻も早くここから出させてください
……子供の頃の誘拐は大きなトラウマになるそうですから…
犯人B「なんでお前の条件なんかのまないといけないんだよ!」
犯人A「やめとけ、今は条件を飲んだほうが得する
…それに、こんなガキに何もできやしないさ」
犯人B「い、いいのか?」
で、飲むんですか、飲まんのですか
犯人A「飲んでやるよ、ほら餓鬼は返すからこっちまで来い…逃げられるわけにはいかないからな…」
…わかりました
(一歩、また一歩とお兄ちゃんが近づいて来る…こっちに来ちゃダメと言いたいけど、怖くて声がでない)
ほら、来ましたよ
早くはんを解放して下さい
犯人A「チッ、おらよ」
『お兄ちゃん!』
よしよし、無事やな
僕はちょっと行ってくるけど、直ぐ帰るさかい、外で大人しく待っててくれるか?頼んだで(ナデナデ)
『…わかった、待ってるね』