うわ、なんや今の風、すごかったな
…あれ、栞があらへん
???『お兄ちゃん、これ探してるの?』
「━━ッ!?
…あぁ、これや
おおきに、助かりましたわ」
突然現れたから驚いた…、
…しかも桜の花びらから現れるやなんて、一瞬春の妖精の幻想でも見えたんかと思った…
???『私ね、って言うの!お兄ちゃんのお名前は?』
「そ、そうなんか
えっと、僕は綾小路文麿って言いますよろしゅう」
『うん!よろしくー!ふみまろお兄ちゃんは、ここで何してるの?』
「…僕か?僕はここで本読むのが好きなんや…ほら、ここあんま人もおらんし、綺麗やろ桜」
『そうなんだ!そのご本って面白い?』
「え?あ、あぁ、面白いよ…春の妖精が出てくる本なんや」
『はるのようせいさん?ステキなごほんなんだね、こんどおかあさんにお願いしてかってもらう!』
「…フッ、ちょっとはんにはまだ難しいんとちゃうか?」
『むー、ばかにしてるでしょ!読めるもん!』
「…フフッ、わかったわかった
きっとはんなら読める読める
…そういや、お母はんと言えぱ
はんこそこんなとこで何してはるんや?ここへは一人できたんか?」
『うん!今日は家出なの
お母さんうるさいんだもん、だから家出してやったの
それに転校したてで友達もいなくて…歩いてたらここに来たの』
「家出!?今家出て言うたか!?
…随分行動力ある子やな
お母はん心配してんで、家どこや?送ってったるからはよ帰り」
『やだ!』
「やだて
お母はんに心配かけたあかんよ…ほら、帰ろ」
『ぜったいやだ!やだったらやだ!』
「ハァ、しゃーないな
…それに、僕も人のこと言えへんしな
じゃあ僕とここでしばらくお話でもするか?ほんで、気すんだら帰るんやで」
『お兄ちゃんとお話?
……うん、わかった!そうする!お兄ちゃん、優しいし
お兄ちゃんの事大好き!』
「なっ…ちょ、調子のええ子やな
あんまり外でそういうこと言うもんやないよ、最近はけったいな人も多いみたいやしなあ」
『~♪』
「って、聞いとらんのか…」
『あ!そうだ!』
「なんや?」
(ぽすっ)
『ここでおはなし、いいよね?』
「…はぁ、まあええか…僕の膝が持つまでやで」