占い師「さっきも言ったが、個体によってだ。
狂気的なのもいれば人間とそう変わらないのもいる。

ひとつ、昔話をしよう──

太古の昔、とある川のほとりに一人の少年が佇んでいた。
その少年は大層な美男子でな、佇まいがとても美しく、男でも見惚れてしまうほどだった。

その姿を見ていた一人の精霊(ニンフ)がいた。
一目惚れだったんだろう。彼女はその少年を熱心に口説いた。

が……少年は精霊の存在を恐れたのか、家まで逃げ帰った。

精霊は諦めず彼を求め、無我夢中で追いかけまわし、やがて自室のベッドでうずくまる彼を押し倒し……


──"同化"した。」

(……え?)

占い師「だから、"同化"したのさ。
無理やり情交に耽るのでもなく、殺すのでもなく、文字通りの一体化。
少年を体内に吸収したのち、精霊は自らの肉体を石化させ、永遠に残る石像となった。

この美しい少年を永遠に我が物とする。彼女なりに考えたその方法がコレだったんだろうな……」

(………)

占い師「その石像は今なお残ってるぞ、俺も見に行ったことがある」

(レテは……)

占い師「流石にあの女がコレと同じとは思わないが……
種族が違えば愛の表現も違う。その辺り心にとめておくことだな」

(………)
確かこの話しと石像はギリシャのどっかにあったはず……昔テレビで見ました。詳しい人教えて!