……私にこのような尊い言葉をおかけいただけるとは夢にも思いませんでした。
あなたのお気持ちは深い水底にまで響くようで……心から感謝いたします。

(彼女の声は穏やかでありながらも微かに震えている)

ですが……私は水の精霊。あなたのように地上で生きる人間とは違う存在。
私のこの身はこの川と一体であり、この姿も、私の本質も、長い時の流れの中で変わることはありません。

(彼女は静かに一歩下がり、手のひらを胸元に置く。
その仕草にはこちらへの敬意と、深い憂いが込められているように見えた)

それでも……あなたのお気持ちはとても嬉しいのです。
こんな気持ちになったのも初めてのこと……
あなたが私のことをそのように想ってくださったことが、どれほど私にとって救いか……

けれど……この種族の違いが、いつかあなたを傷つけてしまうのではないかと……それが私には怖いのです……
人と精霊がともに在ることは、自然の流れに逆らうことになるかもしれません。


「……もしも俺が傷付いたら」