冷たき流れ、柔らかく
彼の影が水面に映る
手を伸ばせば届くのに
私はただ、黙って見つめる
澄み渡る水の中へと
君を連れ去りたい
この胸の中に抱きしめて
波が揺れて、掻き消える
誰かのものになる前に……
水底の静寂、私の棲み処
君の温もりはここにない
けれども、いつか共に
深き闇へ溶ける夢を見る
あの微笑みが眩しくて
手を伸ばすことができない
もしもまたここに来たなら
二度と帰さないと知っている
泡が立ち、流れは速く
私の心も逆らえず
けれど、姿を見るたび
その衝動を抑え込む
傷つけてしまわぬように……
水底のささやき、静かに響き
彼を呼ぶ声を飲み込む
私はここで、ただ一人
君を攫う夢を閉じ込める
Ahh…
Ahh…
水底の呼び声