──っと、起きたか……。
大丈夫か、ユウ。君、随分と魘されていたぞ。
(見上げた視線の先には小脇に抱えられた見慣れた魔獣の姿があり、こちらの不思議そうな眼差しに気付いた彼は事もなさげに片手を翻した。)
ん?ああ……君の夢見が悪かった原因はこいつだよ。
グリムのやつ、君の顔を腹で覆うようにして寝ていたんだ。……きっと息苦しかったせいで変な夢を見たんだろう。
次から居眠りするときは、近くにグリムがいないか確認してからの方がいいぞ。
……あ、いや。違うな……そもそも男所帯の中で堂々と寝るなという話で……。
はあ……ここで君がうたた寝している姿を見慣れすぎて、俺まで当たり前みたいに受け入れてしまっているな……。