名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

……落ち着いたか?
ん、よく見せてみろ。

(涙で頬に張り付いていた髪をそっと除けると、そのまま手のひらがこめかみから顎までをゆっくりと辿った。)

……駄目だな。瞼が腫れているし、頬もまだ熱を持っていて赤い。
このまま部屋を出たら、君のことが大好きな他の連中がうるさそうだ。……ちょうど今頃探しているだろうしな。

……そんな顔をするな、別にこんな状態の君を放り出したりしないさ。
なにもなくて退屈だろうが、腫れが引くまではここにいてもいい。俺も特に予定はなかったし、このまま話し相手くらいにはなってやれるぞ。……君も、それでいいよな?

なにか温かい飲み物でも用意してくるよ、少し待っていてくれ。