──今日は夕食に招待してくれてありがとう。
これは……よければ君に。
熱砂の国の紅茶なんだが、今の季節限定のフレーバーらしい。香りが華やかで、ナジュマも気に入ってるみたいなんだ。
まあ、
グリムがこういう洒落たものを好むとは思えないが……たまには君も女性らしいものを楽しみたいんじゃないかと思ってな。
(こちらの手のひらに手土産を置いた彼は、寮内に漂う香りに気付くと穏やかに目を細めた。)……なんだかいい香りがするな。
誰かの手料理なんて久し振りだから楽しみだよ。
このままなにもしないのも落ち着かないし、よければ俺も手伝うが──
……っふ、わかった。大人しくしてるよ。
なら、今日は君に甘えさせてもらおうかな。
……俺は部屋の方で待ってるから、なにかあれば呼んでくれ。
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