名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

(うっかり転んでしまったこちらに差し出された手を取ると、彼の肩が僅かに揺れた。)

……?

あ、ああ。すまない、大丈夫だ。なんでもない。

……なあ、ユウ。
その、変なことを訊くかもしれないんだが……。

──俺は、以前にもこうして君の手を引いたことがあったか?