(一曲踊り終えふと視線を上げると他校の生徒がこちらへ歩み寄ってくるのが見えたが、それを遮るように見慣れた人物が目の前へと立ち塞がった。)やあ、ユウ。
どうだ、舞踏会は楽しんでいるか?……なんて、君のその表情なら訊くまでもないか。
ああ……ちょうど今から次の曲へ変わるみたいだな。
……せっかくだし、このまま俺と一曲どうだ?
さっきよりもゆったりとした曲調のようだし、不慣れな君でも踊りやすいと思うぞ。
……ミスしたらフォローしてくれるかって?
さあ……どうだろうな?君がお淑やかに振る舞えるなら可能性はあるだろうが……普段のような粗雑さが滲み出ていると、流石にカバーするのは難しいかもしれない。
……ふっ、冗談だよ。
ちゃんと君をリードして、自然に見えるようフォローしてやるさ。俺を信じてくれ。
──さあ、ユウ……お手をどうぞ?
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