……なにをしているんだ、君は。
俺は「寛いで待っていろ」とは言ったが、「服を勝手に着ていい」と言った覚えはないぞ。
というかそのパーカーはどこから……ああ、さっき着替えたときベッドに置きっぱなしにしていたのか。
悪かったな、客人を招く予定の部屋で粗雑な真似をして。
……まあ、だからといって無断で袖を通していい理由にはならないが。
(こちらが被っていたフードを存外優しい手付きで外した彼は、お互いの視線が交わるとなんとも言えない表情で腕を組んだ。)
まったく……ほら、早く脱いでそれを返してくれ。……君がその格好だと妙に落ち着かない。