はあ……ここはあくまでもスカラビアの寮だぞ。他寮の生徒に子どもの家出感覚で来られても困るんだがな。
(突然出された"家出"という単語にギクリとして彼を見上げると、こちらの思考を見透かすような瞳と視線が交わった。)
喧嘩しているんだろう、グリムと。
……なんでわかったのかって?日中の君たちの様子を見ていれば誰でも察しが付くさ。普段はあんなに距離を空けて座ったりしてないだろう。
まあ……そうだな、泊めてやることは無理だが夕食の余りをいくつか包んでやることならできる。
あいつは単純だから、食べ物の一つや二つ用意してやればすぐに機嫌も直るだろう。持ち帰って食べさせてやるといい。