名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

……君の気持ちは嬉しいんだが……正直なところ、今まで君をそういった対象として見ていなかった。
別に君に魅力がないだとかそういう話ではなくて、単に目が離せない……というか、カリムがもう一人増えたような感覚で接していた部分がある。
急に君への見方を変えることは難しいだろうな。

──でも、君が俺のことを……カリムじゃなくて、こんな俺のことを見てくれると言うのなら、俺も君の想いにちゃんと向き合いたい。

だから、まずはお互いを知るところから始めてみないか。

(思わぬ提案に驚き俯いていた顔を上げると、照れ臭そうに視線を逸らしていた彼がちょうどこちらを向くところだった。)

今週末、君さえよければ一緒に麓の街まで出掛けたい。
……もちろん、二人で。