名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

……………はあ。
どうしてそうトラブルをスアへ持ち込みたがるんだ、君は……。
周りの人間なんて、君がちょっと困った顔をすれば我先にと手を貸す連中ばかりだろう。こんな……人からの信頼を簡単に裏切る男を頼るなんて、どうかしてる。
君はウインターホリデーでなにを見たんだ?

(くどくどと続く嫌味を項垂れつつ聞いていると、やがて盛大な溜め息とともに彼の雰囲気が和らいだ。)

──それで?
今回はなにがあったんだ。

どうせ君がスカラビアに足を踏み入れた瞬間から、巻き込まれることは決定しているからな。なら、問題解決に向けてさっさと動いた方がこちらの負担も少なくて済む。
……ほら、順を追って話してみろ。
俺がなんとかしてやる。