名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

へえ……?それは面白いことを聞いたな。
君に散々アプローチをしてきた連中も、鈍感な君の前では無力だったようだ。少し可哀想になってきたよ。

……覚えがないか?
最近、麓の街に新しくできたレストランに誘われたことは?……ああ、あったよな。
じゃあ、「オンボロ寮のゲストルームが見てみたい」と打診されたことは。……「課題を教えてやるから図書室へ来い」と提案されたこともあったよな。

どいつもこいつも……当て付けか牽制のつもりかは知らないが、俺が隣にいるときに限って君を熱心に誘っていただろう。まあ、呆気なく玉砕していたが……。

ははっ、まさか当の本人にまるで響いていないとはな。