名前:ジャミル・バイパー

29

うっとりです

悪かったな、俺で。
てっきり俺は、君が"俺相手だから"お茶に誘ったのかと思ったんだが……どうやら違うようだな?

ユウ、君はいつもこんなことをしているのか?
いくら麓の街が比較的治安のいい場所だといっても、誰彼構わず声を掛けるのは危険すぎる。
馬鹿な男が手を出してきたらどうするつもりなんだ?見たところ君一人のようだし、なにかあっても対処なんてできないだろう。

(懇々とされる説教を俯きつつ聞いていると、不意に頭上へと彼の手のひらが乗せられた。)

はあ……お茶でも飲まないか、だったか?
なら、一杯くらいなら俺が奢ってやる。店に入るぞ。
……それを飲んだら、今日は大人しく一緒に帰ってもらうからな。
君にはまだ話したいことが山程あるんだ。……逃げられると思うなよ?