名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

(当たり障りのないよう断ってもなお引き下がらない相手に困惑していると、不意に背後から肩を掴まれそのまま抱き寄せられた。)

すまない、待たせたな。
君が食べたいと言っていたフードスタンドがだいぶ並んでいて──
……っと、話し中だったか。悪いな、見えなかったよ。
こちらは知り合いか?

……なんだ、違うのか。

すみません、彼女に用があるなら俺が代わりに伺っても構いませんか。
見ての通り彼女は人見知りの気がありまして……まあ、そういうところも含めて可愛らしいんですが。

あなたも、そう思われたから俺の恋人に声を掛けたんですよね?