──はあ……見事に打つ手なしだな……。
扉も窓も開かないし、手元にあったはずの俺たちのスマホも見当たらない。……なぜか俺のマジカルペンだけはあるが、知る限りのどんな魔法を使っても部屋に傷一つ付けられないし……。
この様子だと、部屋の外に寮生がいる可能性も低いだろうな。ここまで大声を出しても気付かれないなんておかしすぎる。
本当に……なんなんだ、この状況は……。
(困惑した表情のまま視線を上げた彼に倣い扉の方を見遣ると、見慣れない文字を用いた文章らしきものが書かれていた。)→
あれはなんて書いてありますか?