名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

(……………。
最近、目に見えてユウがじゃれついてくることが減ったな……。現に今も、こうして廊下ですれ違っても会釈だけで終わってる。……別に、どうでもいいが。

まあ、やっとあいつにも自立心が芽生えたということだな。
いつまでも俺を頼られても困るし……いい傾向だ。
世話を焼く対象が一人減って、俺も以前よりは心穏やかに過ごせる。ユウの甘え癖も直って一石二鳥だな。

……ん?
ユウのやつ……あの格好だし、次は錬金術の授業じゃないのか?
そっちは講堂だぞ。……まさかあいつ、まだ教室の場所を覚えてないのか?
だとしたら、どれだけ普段からぼんやり歩いているんだ。毎回毎回、隣を歩くやつになにも考えずについて行くからそうなるんだぞ。ちゃんと教室の場所くらい覚えろ。

っ……まあそれはあいつの自業自得だし、ここは無視をして──

……あっ。馬鹿、教科書……!
今落としただろ。なんで気付かないんだ……!
というか、周りのやつもちゃんと見てやれよ。普段は隙あらばあいつに近付こうとしている癖に、どうしてこういうときに限って誰も気付かないんだ。

……!おい、階段を上るときはスカートの端くらい押さえろ!なにを無防備に大股で駆け上がってるんだ!下着が見え……クソッ、なんだあの生徒!
ユウの落とし物には気付かなかった癖に、こういうときばかりいち早く視線を向けやがって……!
お前もお前だ、ユウ!呑気に鼻歌を歌うな!

……は!?ちょっと待て、お前ネクタイが解けそうになってるじゃないか!
子どもみたいに飛び跳ねてるから緩んだのか……!?首元が無駄に晒されるし、とにかく一度止まって結び直し……いやいやいや、なんでスキップを始めるんだ。ますます解けるだろ!やめろ!

……………っ。

〜〜っあああああああ、もう!!