(変わり果てたスカラビア寮の談話室。気付けば隣にいたはずの魔獣も上級生もおらず、目の前には異質なオーラを纏った彼だけが立っていた。)──今、君が訊きたいことを当ててやろうか。
「なぜ自分にだけ攻撃をしなかったのか」……そうだろう?
ははっ、まあそんなに身構えるな。別に大した理由ではない。
ただ、俺が君のことを気に入った。……それだけさ。
この髪も。
肌も。
瞳も。
声も。
すべてが俺を惹き付ける。
異世界から来たなんて付加価値がなくても、俺の手元に置いておきたい。……いや、置いておくべきだ。
この世界で一番の俺にこそ、君というダイヤの原石は相応しい。
(一歩後ずさった背中には壁。顎を掬い上げられて視線が交わると、彼の手のひらが太ももをゆっくりと這い上がってきた。)さあ、力を抜け。
俺の手で踊らせてやろう。
──君は俺のものだ、ユウ。
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