名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

へえ……まるで「君がいいんだよ」なんて言葉を期待しているような訊き方だな。
そうやって確認しないと不安なほど、俺の気持ちが信用できないか?

……まあ、いいさ。
これが君のただの気まぐれであれ、俺への不信感の表れであれ……今回だけは君の期待に応えてやるよ。別に気持ちを偽りたいわけじゃないからな。

──ユウ、おいで。

(誘われるがまま近寄ると一度だけゆっくりと抱きしめられ、そのままお互いの額を合わせた彼は穏やかに目を細めつつ口を開いた。)

一度しか言わないから、よく聞いてくれよ。

ユウ……俺は君が好きだ。愛してる。
このツイステッドワンダーランドの誰よりも君を想っている自信があるし、他の誰にも君を渡したくないくらいの独占欲だってある。
……正直、人生でここまで誰かを好きになるなんて思っていなかったよ。
学生の身分じゃなければ、今すぐに結婚して……君を名実ともに俺だけのものにしたい。

……それくらい、君のことを想ってるんだ。
当然、"他の誰か"で満足なんてできるわけがない。
……君がなにを考えてそんなことを訊いてきたのかは知らないが……一つだけ言えるのは「今更俺から離れられると思うなよ」ということだな。