へえ……"はちみつレモン"か。
懐かしいな、以前『ブレイジング・ジュエル』の練習中にも持ってきてくれただろう。
あのときは毒味を終えたそばからカリムが次から次へと口に放り込んでいったからな、俺の食べる分が少なくなって心底腹が立ったんだが……。
……おい、笑うなよ。
あのときはまだ、君の手作りの差し入れなんて貴重だったんだぞ。それをあいつにほぼ全部食べられたんだ、多少の遺恨は残っても仕方ないと思わないか?
(差し入れを持つこちらの手首を軽く掴んで引き寄せた彼は、一瞬触れるだけのキスをこめかみに落とした。)
……まあ、今は違うがな。
これ……全部俺のためだけに作ってくれたんだろう?
ありがとう、ユウ。大切に食べるよ。
これなら後半の部活も頑張れそうだ。