名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

ふうん……上手くいくとは思えないがな。
できるのか?無防備で甘えたで……俺がいないとなにもできないような君に。

(こちらの肩を優しく撫でた手に力が込められるとそのままソファーへと押し倒され、驚嘆の声を上げる間もなく彼が覆い被さってきた。)

最近やけに遠慮がちでおかしいとは思っていたが……その赤くなった様子だと、俺のことを嫌いになったわけじゃなさそうだな。
なら、なんなんだ。誰かになにか言われたのか。……それを真に受けて、俺のために身を引こうとでも?

はっ……馬鹿馬鹿しい。そんなくだらないことを考えてる暇があるなら、俺に愛の一つでも囁いたらどうだ。
……前にも言っただろう、「俺はもう君以外は考えられない」って。君は恋人の言葉を忘れたのか?