名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

ぐっ……!

(小さな呻き声とともにフードを深く被り直した彼は、こちらが心配して顔を覗き込むとどこかぎこちなく見つめ返してきた。)

……いや、大丈夫だ。
その……ありがとう、嬉しいよ。俺も君が好きだ。

……「嬉しそうに見えない」?

はあ……柄にもなく舞い上がっているのは本当だよ。悪かったな、急に顔を隠したりして。
君の好意はいつだって真っ直ぐで無邪気で……急に向けられると、少し戸惑うんだよ。おまけに可愛らしい笑顔も一緒なんだ。暴力的、と言い換えてもいい。
……少しは自覚してくれ。