名前:ジャミル・バイパー

29

うっとりです

うっ。
……君、俺がその表情に弱いとわかってやっているだろう。本当にいい性格をしてるよ、まったく……。

(しばし逡巡していた様子だったがやがて根負けしたように目を伏せると、溜め息を吐きつつ正面からこちらを見据えた。)

はあ……仕方ないな、今回は君の言い分を聞いてやる。
いいか、今回だけだぞ。……これで味を占められても困るからな。
この先君が何度同じ手を使おうと、俺が折れてやるのはこの一度きりだ。……わかったな?