名前:ジャミル・バイパー

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うっとりです

……は……?

はあああああああ!?
なっ……どういうことだ!?誰かになにかされたのか!?
っいや……だが、俺以外の男が不用意にお前に近付く瞬間なんてなかったはずだろう!普段から教室まで送り迎えはしてやっているし……可能な限り授業も同じものを選択して、帰寮してからもこうして一緒にいるんだぞ!?
他の連中が入り込む隙なんてなかったはずだ!

(凄まじい剣幕に思わず絶句してしまうと、こちらが怯えていると判断したのかハッとした様子で彼は声量を落とした。)

あっ……す、すまない。大声を出して……。

その……なにがあったのか話せるか?
場合によっては、旦那様にも報告しておかなければいけない案件だ。……アジーム家の力があれば大抵のことはどうにでもできそうだが、まずは状況を知りたい。

もちろん、俺もお前の力になって──

……………っ。

大丈夫……?