先も言ったが
わしはそんなものになった覚えはない

彼奴がこの世を去ってからというもの
境内に縛られていただけのわしが
いつの間にやら神だのなんだのと祀られるようになってな。

止めようにもその頃には
わしの声が聞こえる者はとうにいなくてのう

やれ火防盗難除けだの憑物落としだのと…
わしの知らぬ御利益があれよあれよと増えていったわ

神様
犬神さま