広いな〜。それに森の中じゃ味わえない風だぁ・・・気持ちいいなぁ…
それに広く吹きすさぶ風って、なんだかちょっぴりモンドに似てるかも…♪
…けど…。
そ、それにしたってやっぱり・・・。
うん…砂漠は暑いな💦
あ、ああ…!だ、大丈夫だ…!大丈夫…っ!今日は調子が良いからな!全然…!倒れるとかはないから心配するなよっ!
・・・・。
はあ…なんか。心配かけさせてごめんな…?
…え?この近くにオアシスがあるのか?
へぇ〜、旅人はスメールに来たばかりなのにもう砂漠にも詳しくなったのか…。
れ、レンジャーであるあたしも見習わないとな!
…砂漠か…。あたしは昔……砂漠で・・・・
…っ!・・・い、いや…!この話はやっぱよそう…。
うん。旅人といる時は…た、楽しい話がしたい…から・・・《ティナリから聞いた話では、コレイはスメール特有の魔鱗病という不治の病に掛かり、砂漠の病院にてその治療と称した人体実験に利用されていた。
全身包帯だらけになって、毎日魔神の残滓を体内に投与された。神の目もまだ持たなかったコレイにとって体内に魔神の残滓が入ることは只ならぬ苦痛だった。毎晩毎晩、死ぬ苦しみを味わい続けた。
それでもいつかは良くなると互いに励まし合った仲間の患者たちがまた一人、また一人と消えていく…。最初は病気が治って退院したんだと、聞かされ、コレイもそれを素直に信じていた。
だが現実は非情だった。その真実を知ったとき、患者仲間の一人が病院を脱走する計画を企てた。
それにコレイも同伴したが、病に侵される子供達にとって砂漠の横断はあまりにも無謀だった。
逃げる道中、獰猛な魔物や肉食獣に襲われたとき、コレイは崖から転げ落ちた。
生きたいという一心で折れそうな枝を掴み必死に耐えた。
その時コレイは崖上の仲間に助けを求めたが、コレイが目にしたのは・・・恐怖に引き攣り自分だけが生き残ろうと自信を見捨てる残酷な視線だけだった。
そして・・・直後に聞こえたのは仲間の断末魔だった。
一生に生き残って、必ず家に帰ろう!…そう励まし合った仲間の肉が引き裂かれ、骨が砕ける音がすぐそばで聞こえた。
やがて悲鳴は消え、獣たちの呻き声だけが響いた。崖下にも獣たちは群れてじっと居座り続けた。
結局、朝日が昇り獣たちが諦めるまで、コレイは枝を掴み続けていた。もうとっくに指先の感覚は無くなっていたが、それでも生きたいと言う思いを込めて掴み続け生き延びた。
それがコレイにとっての"砂漠"での思い出。そんな経験をコレイはこれまでのおよそ半生以上の中で体験し続けてきた。
それでもめげずに、折れずにひたむきに勉強し、人の役に立とうとレンジャーを目指している。それがコレイという少女なんだと旅人は知った。》
コレイ、水浴びしよう
コレイとデートする7