名前:ニコ・デマラ(仮)

年商57ディニーの女

good

よく来たな。話は既に聞いている。

ここでの滞在に必要な手続きは私の方で済ませておいた。



〜!(ま、またまた綺麗な人だ…!あれ・・・?)

あ、あの…!



どうした?


サラさんも弓を使うんですか?


そうだ。弓は私が最も得意とする武器だ。無論、戦場とは生優しいものではない。時には槍術、刀剣、馬術と様々な武器や武術に精通する必要はあるがな。


すごい!サラさんは戦いの達人なんだ!

よ、よかったら!あたしの弓を見てくれないか…!ああ、じゃなくて…。見てくれませんか!



弓の稽古を…?ああ、良いだろう。

だが指導を付けてくれと言うのなら私は初対面だろうと厳しく指導する。覚悟はいいな?



は、はい!




《まずは手本にと裟羅が弓を引き、的を射抜いて見せる。

短く息を吐き、最短で呼吸を整えると素早く…そして鋭く弓を引き絞り真っ直ぐに的を貫いた。》



す、すごい…!…です!✨ あんなに遠くの的なのに力強く正確に撃ち抜いてる…!


では次はお前がやってみせろ。


…は、はい!


ふぅ〜・・・(お、落ち着け、いつものようにやるだけだ。)



《ゆっくり息を吐きまずは深呼吸で気持ちを整える。

それから慎重に弓を構え、しっかりと狙いを定める。

コレイもまた素早く、しかし裟羅とは違い軽やかに、スピーディに弓を引き抜いた。》



いい腕だ。悪くない。

今は的に一発放っただけだが、その身のこなしからして本来は森など障害物の多い中で、射程の短い間合いによる戦闘を意識したものだと分かる。



そ、そうです!あたしはレンジャーだから、森での戦闘が専門で・・・い、今ので分かるなんて……サラさんはすごい人だ!✨


森の中では長距離の狙撃は本来行わない。

寧ろ、地の利を活かし急襲を仕掛けるのが定石だろう。そんな中で培った弓術でよくあの距離の的を射抜いた。

だが、コレイの弓にはまだ甘さがある。



甘さ…ですか?


そうだ。厳密に言えば殺意だ。

あれは無機物の的だが、もしあれが人でも同じように射抜けるか・・・・試してみろ



《先ほどコレイが射抜いた的の前に裟羅が立ち。再び弓を射るように仕向ける》


さ、サラさん!?何してるんだ!あ、危ないぞ…!


どうした。人に向けて撃つのは怖いか?

聞くところによると、レンジャーとは誰かを守る存在ではないのか?ならば、誰かを守る時にはまた別の誰かを傷付けるときもある。

見習いとはいえ、そのくらいのことは心得ているはずだ。…違うか?



……っ!

…わ、わかりました…!あたし、やります…!


(ギリ…っ)


(サラさんなら…きっと躱したり出来るはず。だから、これはあたしを試してるんだ…!ここで、この場面では絶対に外せない…っ!)


(ギギ・・・パシュ!!)




ふっ…。良い心構えだ(パシィ!)


手…っ、手で止めた…!?


私に言わせれば…弓とは心・弓・矢の三位一体となって初めて正鵠を射ることが出来る。


その観点で言えば、コレイは私の急な挑発にも心を乱されずよく当てたと賞賛すべきだ。

……だが。矢を止めて分かった。

……コレイの弓にはやはり・・・まだ優しさがあるな。



裟羅も人のこと言えない。
コレイとデートする23