【彼はあなたの顔から手を離して、その手の甲で涙を拭った。立ち上がり、いつの間にか同じように泣いていたあなたをその場で見下ろす】



…怖がらせてごめんね

【ぽそりとそう言った瞬間、彼のスマホが鳴った。秋田が驚いたようにビクリと反応する。
 彼が画面を操作してスマホを耳元に当て、「はい」と電話に出てから相手とひと言ふた言会話し、「……はい、分かりました」と返してから通話を切った】

秋田

秋田「! はいっ」

今ゼンさんに呼び出し食らったからちょっと出てくるわ

秋田「え、カシラっすか?ならオレも…」

いい。車のキー貸して
お前は俺が戻るまでここに待機

秋田「待機って…あのオレ回収した金を事務所に持ってかなきゃなんスけど…」

俺が引き継ぐ。寄越せ

【秋田から金と車のキーを受け取り、玄関に向かう】

遅くても1時間くらいで帰れると思うから

秋田「はい……お気をつけて」

…頼むな

【秋田に目配せし、玄関のドアを閉めた】







【何を「頼む」と言われたのか、一瞬で理解できてしまった彼が困ったようにポリポリと頭を掻く。廊下からチラリと、リビングのソファで未だ泣いているあなたを見て軽くため息をついた】

…どうすっかなぁ

(静かに泣)
・「色々巻き込んでごめんね
・「困らせてごめんなさい
・「私の軽口で巻き込んでしまい大変申し訳ございませんでした(土下座)
・「軽率な言葉で南くんを傷付けてしまった…
・「鳥取出身の島根くん…ごめんねこんな空気で気まずいよね…
・「痴話喧嘩に巻き込んでごめんやで
・「クソっわたしが悪いけど釈然としないっっっ
・「自分は好きだよって伝えても完全には信じ切ってないくせに(泣)!!!ざっけんな!!!
み、南くん…!やだ、わたしっ…1