【震えた声でそう尋ねると、彼はにっこりとあなたに笑いかけた】



うん、そう。講習
○○ちゃん、ソープで働いたことないっしょ?
だから大体の流れとかサービス内容とか、そういうの覚えるために最初に軽ぅく講習しとかなきゃね。この業界ハジメテの子にぶっつけ本番で客の相手させる訳にいかないからさ。あ、でも今から来るヤツは顔も綺麗だし女の子の扱いも上手いから優しく教えてもらえるよ。良かったね、イケメンとヤれて。何か分からないことあったらそいつにドシドシ聞いてみて!

(…ピンポーン)

あ、来たみたい。流石に早ぇー

【玄関の鍵を開けに行く彼。遠くのほうで、がちゃ、とドアが開く音がし、それからさっき電話の向こうで喋っていた男性と彼が話す声が聞こえてきた】


うぃーす。お疲れー



5分以内はキツいですって!



別にいいじゃん。お前クルマだろ?



車ですけど……つか、どうしてここなんですか?いつもは事務所かホテルか店なのに…



ああ、それは俺の女だから



へー、俺の女……えっ!?


【あなたがいるリビングに、彼と部下が入ってきた】







え、女……て、その子スか?

【藤堂が「ざっつらいと」と言いながら椅子に座り、タバコを咥えて火をつける】

え、南さんって確か借金を肩代わりした彼女が…

藤堂「だから目の前にいんだろ」



えええええ!?なっ、なんで…

藤堂「なんかねー、俺にどうしても金返したいんだって。その為に風俗で働いても構わないって言ってたよ」

【あなたと藤堂を交互に見ながら呆然とする男】

ちょ、ちょっと待って。講習って…教えてもらうって…