うん

…ほら、覚えてない?
俺ってさ、誕生日が3月7日で、ホワイトデーと近かったろ。確か小学生に入った年くらいから、毎年君がバレンタインにチョコくれてたんだよ。それのお返し、したくてさ。…でも俺、施設に入ってたから。小遣いが毎月いくらだったかな…確か千円かそこらだったと思うんだけど

…その中からバレンタインのお返しを買おうと思っても、…今だから言えるけど結構キツくてさ。俺も施設の職員とか、周りの奴らにどうしたらいいか聞けば良かったのに…その頃俺すっげー人見知りで大人しかったから聞けなかったんだよね。緊張しないで話せる人間なんて○○ちゃんしかいなかったから。恥ずかしいけどな

…だから、○○ちゃんに言ったんだよね
「ごめんね、お返しあげたいけど何をあげたらいいのか分からないんだ」って。嘘ついたんだ
そしたら○○ちゃん、ちょうどその時おやつに金平糖の袋待ってて…「じゃあこれから毎年みーくんの誕生日にはこんぺいとうあげるから、わたしと一緒に食べて?それがお返しでいいよ」って言ってくれて…





……あの言葉が、おれ、ほんとうに嬉しくてさ

本当に本当に、うれしかったんだ
だから、金平糖も好きになった。その日から今までずっと

・「可愛いやつめ
・「来年からみーくんのお誕生日は一緒に金平糖食べる約束する?
・「そんな風に思ってくれてたんだ…これから色んなもの一緒に食べよう。あの時食べたこれも好きって思えるものいっぱい作ろう。
こんぺいとう?→好きな食べ物