【>好きの種類をはかりかねてるか……?】

隠し設定なんですが、弟能見ワードの○○ちゃん(お姉ちゃん)は弟に対し、純粋な愛情の他に罪悪感と嫉妬がぐちゃぐちゃに混ざり合ったものを抱えています。『♭▽その日の夜』のこのページのお姉ちゃんの台詞「私の出来が悪いから(略)そうしたらお母さんたちはきっと…」がそうです。

「私の出来が悪くてめーちゃんに負担かけさせて申し訳ない」っていう台詞は嘘偽りのない真実なんだけど、その後の「私がもっと勉強出来たらお母さんたちはきっと…」という言葉は、「自分が優秀だったら弟に迷惑かけることもなかったし、両親も自分をもっと気にかけてくれたはず、愛してくれたはずなのに」という、妬みと願望が含まれたものになっています。悲しいね。

お姉ちゃんは弟能見のお姉ちゃんだし、こんな家庭で育ってるから多分同年代の他のどの女の子よりも落ち着いてて大人っぽく見えるけど、まだ高校生なんですよね。子どもなんですよ。
「弟に対しては優しくて、両親に対しては聞き分けが良くて面倒事を起こさない姉という存在でいなければ」と常に意識してそれを守ろうと努力はしてるけど、それでも両親から気にかけてもらいたいし(真っ当な愛情なんて与えてもらえないということは分かりきっているけど)、もっと我が儘言って甘えたい、って思ってるんですよ…。

で、それは弟にも伝わっちゃってるんですよね。本音なんて誰にも言ってないけど、弟には分かるんですよ。能見は人の嘘を見破るの得意だろうし、何よりお姉ちゃんが大好きだから。
だから次のページで最初に「…」と沈黙してたのは「ああ、○○ちゃん、まだあんな奴らに期待してんのか。おれに妬いても○○ちゃんが優秀になってもアイツらはまともにおれらを愛してくれる訳ないのに」って思ってるからです。

このワードで最後に「だいすき、○○ちゃん。○○ちゃんもおれが好き?」って聞いた後にお姉ちゃんが「…もちろん、だいすきだよ」と答えるじゃないですか。
ここのお姉ちゃんの「…もちろん」の三点リーダーは、さっき言った弟への純粋な愛情と罪悪感と妬みが混ざっているからで、そのせいで「もちろん大好き!」と即答は出来ず、「…もちろん」と三点リーダーを使って少し間を置いた返答になっています。

で、これも弟に伝わっています。だからこれの続きの「…」→「良かった」を、あえて画像(表情)を使い分けて2つに分けました。
だから「良かった」の後は特に会話を続けず、能見はすぐ眠ってしまったんです。だいすきなお姉ちゃんから愛情の他に嫉妬の感情を向けられているという事実が悲しかったから。
でも多分この「○○ちゃん、おれのこと好き?」「…うん、大好きだよ」ってやり取りを今までに何度も続けていて、それでもやめようとしないのは嘘でも嫉妬されててもいいから世界一大切なお姉ちゃんからの「だいすき」って言葉が聴きたいから、なんでしょうね。バチクソ長くなってしまい申し訳ありません(土下座)
【>好きの種類をはかりかねてるか……?】