【その日から弟は、今までしていた触れるだけのキスから、最中に舌まで入れて、ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜてくる深いキスを強いてくるようになった。
朝、学校に行く直前。2階への階段がある目の前であなたの頭を引き寄せ、舌を吸ってくる。そしてリビングのほうから母の声が聞こえたらすぐさま唇を離す。
休日は勉強の合間に部屋を抜け出して、たまたまあなたと顔を合わせたら「息抜き、させて」と唇を重ね、ねっとりと口内を弄ぶように
舐ってくる。
ひどいときなんか何分も何分も口内を蹂躙し、壁に押し付けて、どっちのだか分からない唾液が溢れてあなたの顎まで汚すほど深く激しく口の中を掻き回してくる。
息を荒げ、キスで興奮しきった弟があなたの下腹に下半身を押し付けて″ゴリッ…″と『固いなにか』を当ててきて、その存在に気付いたときにはあなたは不快感と恐ろしさで動けなくなった。嫌な汗が背中を伝い、流れる。
恐怖で固まっていると「ほら、○○ちゃんももっと舌出して、吸って」と言われ、仕方なく、控えめに彼の口に舌を差し込む。
するとそれが気に食わなかったのか、顔を顰めた弟から「もっとだよ。やる気ないの?」と冷たく言われ、心臓がズキリと痛んだ。
「おれの舌と絡めて」そう命令され、恐る恐る舌を絡めると、弟はあなた以上に力強く舌を吸ってきた。角度を変え、より深く唇を密着させてくる。弟の肌の熱と匂いを強く感じ、頭がくらくらする。
「早く終われ、終わってくれ……!」と心の中で願っていると、玄関からガチャッと鍵が開く音がし、弟がピクリと反応する。両親のどちらかが帰宅したのだろう。
反応はしたが、弟は表情を変えず、最後にあなたの舌を一度強く吸ってから離れた。
リビングの扉が開く。父だった。】
「お帰りなさい、父さん」
「今朝母さんから渡された問題集は終わったのか」
「はい、終わりました」
【弟は父と一言二言、言葉を交わし、リビングを抜けて2階へ上がっていく。リビングから出て行く直前、一瞬こっちを見て微かに笑った。
あなたは腰を抜かし、床に座り込む。
父から「邪魔だ。やることがないなら自分の部屋に行ってろ」と言われ、「はい……、」と力なく答えることしか出来なかった。
……そして、夜。弟は、両親から厳しく叱責された日や試験の成績があまり芳しくなかった日は、夜が更けてからあなたの部屋を訪れ、この間のように口内を好き勝手弄んでいくようになった。
最初こそ不快感のほうが大きかったが、回数を重ねていくにつれ、彼の舌の感触に少しずつ快感を覚えるようになっていく。それが嫌で、恥ずかしくて、
姉とのキスで勃起させている弟のことが恐ろしくて、頭がおかしくなりそうだった。
こんなこと誰にも言えない。相談できない。いつまで続くのか分からないこの異常な関係に耐えなければいけない。……いや、もしかしたら終わらない可能性だって……。
そんなことばかり考えて毎日不安で胸が押し潰されそうになっていると、ある日、学校で同じ委員会の男子と話が盛り上がり、こう言われた】
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