【なぜか「好き」以外の返答は許されない、と思った。
彼は、それを聞いて少しだけ黙った後、口角を上げてあなたに笑顔を向けた。】

あはっ だよね!
……嬉しい
【ちゅ、ちゅっ、と胸元や首筋へ触れるだけのキスを繰り返す。あなたはくすぐったくて、眉を寄せて耐えた。
……段々と、そのキスが顔のほうまで上がってきて、再びお互いの唇がくっつく。
弟の薄い唇は生温かくて、少しカサついていて、……震えている、ような気がした。
もしかしたら気のせいかもしれないが……。】
……ん、……ちゅ、
【あなたの舌を自らの唇で軽く挟みながら、ちゅうちゅう舌を吸う流星は、目を閉じて、その行為に夢中になっている。
事実、流星はあなたの唇や舌の感触をしっかりと確かめながら、大好きな姉とのキスに没頭していた。
目を瞑りながら口付けていると、目の前には血の繋がった実の弟から急に襲われて恐怖する姉の姿ではなく、自分と同じようにキスに熱中して、もっともっと、と唇に吸い付いてくる、愛おしくて堪らない女性の幻が見えるからだ。
気持ちいい、気持ちいい……、と、うっとりしながら姉の唇を貪り続ける流星。
やわらかくて、あったかくて、甘くて、いい匂いがして……。
同じ女の腹から出てきた人間なのに、どうしてこうも違うのか、と不思議に思わずにはいられなかったが、今はそれ以上に、そんなことどうでも良くなるくらい、この行為が気持ち良くて仕方ない。
あんまり気持ちがいいせいで頭がぼーっとし、顔も火照ってきたが、彼自身はそのことに気付いておらず、ひたすら彼女の唇や舌を味わい続けている。
「気持ちいい。ずっとこうしていたい」
「○○ちゃん、○○ちゃん」
「おれから離れないで。どこにも行かないで。見捨てないで。……おれのこと、どう思っていてもいいから」
……そんなことを切に思いながら、キスを続けた。】
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