【痛みに呻き、顔を離して口元を押さえる流星に、つい反射的に謝ると…………顔、を、殴られた。
その勢いで後ろに倒れ、強く張られた頬に手を当てる。びりびりと、電気が流れているような痛みがまだ続いている。
私は、頬に手を当てたままその場から動けず、呆然と彼を見た。
頬の痛みよりも殴られたことが……小さい頃から大切に可愛がってきて、「○○ちゃん、○○ちゃん」と私に懐いていた弟から暴力を振るわれたことが、ショックだった。
放心したまま座り込んでる私に柔らかい笑みを向けながら見下ろし、目の前にしゃがみ込んだ。
私の手の上から、頬をするりと撫でる。】

ごめんね……痛かった?
痛かったよね。おれも痛かったよ
ほら見て、血が出てる
【んべ、と舌を出して私に見せてみせる。じんわりと赤い血が滲んでいた。】
ふふ、でもおれもやり返しちゃったからこれでおあいこだね
ね、これって喧嘩になるのかな?兄弟喧嘩
おれたち今まで喧嘩らしい喧嘩ってしたことないからさ、これが初めての兄弟喧嘩だね?
嬉しいな。ほら、喧嘩するほど仲が良いって言うでしょ?
だから、おれたちはきっと、これからももっと仲良くなれるよ
・「
……え、それは……どういう……」