【自分は壁側を向いて寝ていたらしい。
体の上に、腕が乗っている。
″彼″は私といるとき、いつもこの寝方をする。
背中にぴったりくっついて、後ろからハグするような寝方。
お腹の辺りに腕が乗せられていると少し重いけど、重さの分だけ愛されてる感じがして嬉しくもあるので「やめて」「もう少し離れて」とは言わなかった。言ったら多分傷付くだろうし。】
【目を瞑りながら体勢を変えて、今度は壁側を背中にする。お互い向き合う形になり、私は彼の胸元に顔を寄せた。
すん、と鼻で息を吸う。
こうすると、いつもだったら、彼…『南くん』の匂いをすぐ側で感じて落ち着く……のだが、】
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