(……また、あんな顔してる)

【岸本が視線を向ける先。そこにはクラスメイトの女がいた。彼女は時折ふと、寂しそうな、何もかもを諦めているような、そんな表情をする。】



男子「岸本どーした?」

え?ああ、いや別に

女子「ぼーっとして、眠いんじゃないの?」

そうかも
保健室の枕借りてこようかな

【周りのクラスメイトたちに笑われ、肩を軽く叩かれて岸本も笑顔を浮かべた。無理やり貼り付けた笑顔だったが、それに気付く者はいなかった。
 ……一人の女生徒以外は。】
(…アイツ、また…)→私は自分のことは嫌いだけど、彼方くんのことは嫌いじゃない1