数年前から日常的にストーカー被害に悩まされていた私は、相談した友人からの勧めもあってボディーガードを雇う事に決めた。これで少しは安心感のある生活を送ることが出来るだろう……多分。
今日は派遣のボディーガードさんが家に初めて訪れる日。…人生でこんな事になるのは初めてだから、何だかソワソワして落ち着かない。




ピンポーン




そんな事を考えて居ると、玄関の方からチャイムの鳴る音がした。

私はいそいそと扉の方へ向かい、覗き穴から相手の姿を確認してみる…。

其処にはボディーガードの契約を結ぶ時、事務所で親切にしてくれた優しいあのひとが。


良かった、ストーカーじゃない。


私は玄関の鍵を解錠し、扉を開けた。



お久しぶりですね。


彼は懐へと手を伸ばし、背広の内ポケットからステンレス製の洒落た名刺入れを取り出した

スマートな所作で中の名刺を取り出すと、スッ…と私の前へ差し出す
ラムダの手から名刺を受け取ると、彼は少し朗らかな雰囲気で話し始めた




改めまして、ご契約誠にありがとうございます。身辺警護とのご依頼を承り、ボディーガードとして派遣されました、"ラムダ"と申します。

契約時に顔合わせをしているので承知しておりますが……
念の為、本人確認を行っております。
貴方の名前をお伺いしても?
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