その言葉に一瞬、彼はピクリと体を震わせた

好きな彼…ですか?

分かりやすく、引き攣った声色でそう問うてきた。
うん。私、好きなひとが居るんだ。
だからその人と、もっと仲良くなりたいなと思って


………私の知っている方で、でしょうか?

そりゃもう、一番知ってるよ。




そ、そうですか…

その…〇〇さんが宜しければですが、その方の事を名前だけでも教えて頂けませんか?

明らかに動揺している様子で探りを入れてきた。鈍感だなぁもう。内心で少し迷ったけれど、私は答えてあげることにした。


ふふふ

一回しか言わないからね?



…今、私の目の前に居るひとだよ



ドーン、パラパラパラ……



そう言った途端、大きな音がして……パチパチと色とりどりの光が私達を照らす。
どうやら一番の目玉である、花火が始まってしまったようだ。



あの、〇〇さんもう一度…!


花火の音でかき消されて聞こえなかったんだろう、ラムダが聞き返してきた。

駄目だよ、一回だけって言ったんだから!


そう悪戯に笑って頬の熱さを誤魔化す。

ほらほら、花火見よ!!




……もう少し、あと少し…………この関係で居たいから、

答えはまだ聞かないでね、ラムダ

☆"好きな彼と叶わせてください"という願いを書くつもりです