--理想--

比呂美「今日のお弁当、いつもより色とりどりなような……」

乃絵「おかずを増やしたの。比呂美にあげるわ、これ食べなさい。ほら」

比呂美「私はウィンナーをあげるわね」

乃絵「ウィンナーはダメよ、嘘つきだから。ほんとうは赤くないのに赤いふりをしている。嘘つきの食べ物を食べたら嘘つきになってしまうわ」

比呂美「そ、そう…?じゃあ、ミニトマトを」

--現実--

比呂美「美味しそう」

乃絵「残さないでね。はい、さつまいも」

比呂美「」モグモグ

乃絵「この唐揚げも」

比呂美「ちょ、ちょっとまって。まださつまいもが喉に……」

乃絵「じゃあ謝って」

比呂美「えっ?」

乃絵「眞一郎に謝って。眞一郎が空を見てないの。ほんとうは飛べるのに。空から目を逸らしているの。私、貴女のせいだと思うの」



比呂美「!」

乃絵「貴女を観察しててわかったわ。貴女は飛べない、絶対に。飛べない貴女のことで飛べる眞一郎が悩むのはもったいないわ、そんなの……おかしい」




比呂美「……なんなの。なんなのよっ。勝手なことばかり言って!貴女にはわからない!」

乃絵「ずるいわっ!」

比呂美「なにがっ!?」

乃絵「わからないっ!!だったら説明して!私にはどうわからないかちゃんと教えてっ」

比呂美「離してよ!」



乃絵「貴女秘密ばっかり。純のことだって教えてくれなかったし!教えてくれなきゃ友達やめるから!」

比呂美「最初から友達なんかじゃない!


(RA)
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