『こんにちは。私、……っていうの』

「…」

『…デザートあるって言ってたよ?向こうで食べてこない?』

「…」

『…親戚同士の集まりって退屈だよね。実は私もちょっと苦手なの。あ、みんなにはヒミツね?』

「…」

『…えっと、前髪すごく長いね。目に入らない?』

「……嫌いだから」

『嫌い? …美容院が?』

「…」

『そっかぁ。あ、じゃあ私が切ってあげるよ』

「え…、」







「……、」

『ほら、さっぱりした』

「…」

『前髪ならハサミさえあれば自分でも切れるし、美容院行きたくなかったら今度から私がやってた通りに切ってね』

「……あ、」

『ん?』

「……あり、がと」

『ふふ、どういたしまして。……うん、やっぱりちゃんと顔が見えたほうがいいね。カッコいいよ』